ブリュッセルにあったルナ-ル兄弟は1927年航空機製造会社を設立した。 最初の設計は全金属製高翼単葉の戦闘機であったが、フェアリー社のファイアフライとの競争に敗れて軍の契約を取ることはできなかった。 これに懲りずに兄弟は複座の偵察機に取り組んだ。 これがR-31で1932年10月に初飛行した。 鋼管の骨組みに羽布張りの構造で操縦席は主翼の上下が見られるように調節ができた。 液冷487馬力のロールスロイス.ケストレルエンジンを装備した本機は操縦性はよくなかったが頑丈な機体であった。 一連のテストの後、ベルギー空軍は28機を発注した。 旧式化していたブレゲー19を置き換えるためである。 R-31は1935年からベルギー空軍の偵察部隊に就役し1940年、ドイツに占領されるまで続いた。 R-31はベルギーが設計した航空機で戦争に参加した唯一のものである。 開戦後R-31は合計54回出撃したが、1940年5月28日、ベルギーの降伏に伴いすべての機体は処分された。 閉鎖型のコクピットを採用し、より強力なエンジンのノ-ム.ローヌ 14Krsd(1065馬力)を搭載した改良型が検討されたが、生産には至らなかった。
形式: 複座偵察機 エンジン:ロールスロイス.ケストレル 液冷 485馬力 武装:7.7mm 固定式機関銃1挺、7.7mm 旋回式機関銃1挺 最大速度:320km/時(高度6,000m) 巡航速度 280km/時 上昇限度:9,000m 航続距離:1,000km 自重:1,240kg 全備重量:2,000kg 全幅:14.4m 全長:9.2m 生産台数: 35
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.20
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998