SABCA S.47

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モデルは DUJIN製
レジンキット

1937年10月、ブリュッセルにあったSABCA社はイタリアのカプロニ社と契約を結び、カプロニ製の航空機を各国に販売する権利を有するに至った。 同時にベルギー空軍省が出した仕様に基づいてカプロニ社が複座の軽爆撃機を設計することになった。 この試作機は1939年8月のベルギー航空展覧会にSABCA S.47として展示された後ベルギーのテストパイロットの手によって飛行テストが行われた。 S.47の木製の翼に金属製の胴体という構造であった。 主脚は90度回転して後方に折りたたむ方式で、後部座席にも操縦装置が設けられた。 武装はイスパノ.スイザ20mmモーターカノン1門に7.7mmブローニング機関銃2挺、さらに後部座席にも1挺の7.7mm旋回式機関銃が備えられた。 一連の飛行テストの成績に満足したSABCA社は1939年11月本機のライセンス生産権を取得し、ベルギーを始めオランダ、デンマーク、スウェーデン、スイスなど多くの代表が見守るなかでデモンストレーションを行った。 ベルギー空軍省は本機の性能に満足し直ちに大量生産に移るよう指示したが、SABCA社は当時フランス向けのブレゲー694やコールホーヴェンFK-58の生産に忙殺されており試作機が飛行したのは1940年3月になってからであった。 その2ヶ月後にはドイツ軍の侵入によってS.47の以後の計画はすべて破棄された。  

 
性能諸元(R-36)

形式: 複座軽爆撃機  エンジン:イスパノ.スイザ 12Yers 液冷860馬力 最大速度: 413km/時(海面), 498km/時(高度 4,200m) 航続時間: 2時間 上昇時間: 3分30秒(2,000mまで)  上昇限度: 9,500m 自重: 2,252kg 全備重量: 2,978kg 全幅: 13.20m 全長: 10.61m 武装:20mmイスパノ.スイザ機関砲1門、7.62mm 機関銃`3挺、爆弾200kg 生産台数: 2

参考文献

William Green “War Plane of The Second World War Vol.7” Doubleday & Company, 1960 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998