アビア B.534

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モデルは KP製 1/72

高速で軽快な操縦性、そして強力な武装、B.534は複葉機としてはもっとも優れた機体のひとつであった。 このことは1937年、スイスのチューリッヒで開かれたエアーコンテストでB.534は速度ならびに高度の面でドイツのBf 109に次いで2位を占めたことからも分かる。 設計開始は1931年、B.34の型式名で金属構造に羽布張りの単座複葉戦闘機でエンジンは650馬力のイスパノ.スイザ Vr36を使用していた。 初飛行は1932年、すぐにチェコ空軍に引き渡されテストが続けられた。 結果は良好で12機の発注を受けた。 いっぽう設計者ノボトニーはいくつかの違った種類のエンジンを試み、イスパノ.スイザ 12Ydrs(750馬力)が好結果が得られたので、これをB.534の型式名で開発を続けた。 新型機は1933年8月に初飛行、その翌年時速365kmの世界新記録を樹立している。 B.534は直ちに軍の採用するところとなり100機を受注、さらに47機を追加受注した。 量産型のエンジンは850馬力のイスパノ.スイザ 12Ydrsでアビア社がライセンス生産したものである。 チェコ空軍への就役は1935年後半からで、1938年の時点ではチェコ空軍は445機のB.534を保有し、戦闘機隊の中核をなしていた。 1939年、ボヘミアとモラビアがドイツに占領されるにともない70機がスロバキア空軍に編入され、ドイツ軍の指揮下で1941年7月かロシア戦線で戦った。 しかしパイロット達の士気は低く目立った戦果を上げていない。 しかも多くのパイロットがロシア側に亡命してしまったと伝えられている。 残りのB.534はドイツ空軍で訓練あるいは他の補助任務に使われた。  

 
性能諸元(B.534IV)

形式: 単座戦闘機   エンジン:イスパノ.スイザ 12Ydrs 12気筒液冷 830馬力   武装:7.7mm Mk30機関銃4挺   最大速度: 405km/時(高度4,400m)  巡航速度 345km/時   上昇時間: 5分0秒(5,000mまで)  上昇限度: 10,600m   航続距離: 580km   自重: 1,460kg   全備重量: 1,985kg   全幅: 9.4m    全長: 8.2m   生産台数: 514

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.3”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “Combat Aircraft of World War 2 1933-1937”
William Green “War Plane of The Second World War Vol.1” Doubleday & Company
Michael Sharpe “Biplanes,Triplanes and Seaplanes” Prospero Books, 2000