ブラックバーン りポンII

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モデルは Contrail製
バキュームフォームキット

1940年代が幕をあける頃にはどんな保守主義者でも複葉機の時代は終わったと認めざるをえなかった。 しかしその事実が分かっていても適当な代替機がなく複葉機を使わざるをえなかった場合もある。 このひとつの例がフィンランド空軍におけるリポンⅡであった。 1925年にイギリスのブラックバーン社において複座艦上攻撃機として設計が始まったリポンの初飛行はその翌年であった。 リポンⅠと命名され試作機は2機作られた。 1機は陸上型、もう1機は水上機型であった。 構造は主として木製でエンジンは液冷のネピア.ライオンVである。 1928年、エンジンを強化した改良型がリポンⅡとして現れ、内外の関心を呼び、イギリス海軍からの発注をうけたのを始め、フィンランド政府からはニョ-ム.ローヌジュピターエンジンを搭載した型の発注され、同時にフィンランドでのライセンス生産契約も成立した。 構造は主翼は金属製の骨組みに羽布張り、胴体前部は溶接鋼管の骨組み、後半は木製であった。 イギリス海軍用は液冷のライオンエンジンを装備したのに対し、フィンランド製は空冷のアームストロング.シドレ- パンサーⅡA(600馬力)で折りたたみ翼、着艦フックなど艦上機用の装置は取り除かれた。 イギリス製のリポンⅡがフィンランドに到着したのは1929年9月、その間フィンランド現地生産の準備が進められ、1号機が翌年に完成し、リポンⅡFという型式名を与えられた。 武装は1挺の7.7mm固定式機関銃と後部座席に7.7mm連装機関銃、さらに爆弾400kgを搭載できた。 リポンⅡFは主として哨戒用として用いられ頑丈さと高信頼性を買われたが、1939年11月、ソ連による侵略が始まったときにはまったく旧式化していた。 当時15機のリポンⅡFが前線に配備されていたが、損害の多い昼間行動はやめもっぱら夜間の偵察や宣伝ビラ投下などの任務に限られていた。 その後も連絡や救急用といった後方任務についていたが、1944年12月、最後の機体も失われた。 

 
性能諸元(RiponIIF)

形式: 複座偵察爆撃機  エンジン:ブリストル.ペガサスⅡ-M3 空冷9気筒 580馬力 武装:7.7mm固定式機関銃1挺、7.7mm 旋回式機関銃2挺、爆弾400kg 最大速度: 206km/時(高度1,524m) 巡航速度 182km/時  上昇率: 155m/分  上昇限度: 2,652m 航続距離: 1,814km 自重: 1,899kg、全備重量: 3,455kg 全幅: 13.87m 全長: 11.2m 生産台数: 123

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.7” Doubleday & Company, 1960 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.20 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Peter Lewis “The British Bomber since 1914” Putnam 1967