1930年代なかばになると各国は競って急降下爆撃機の開発に乗り出した。 後に国有化されてSNCAOに吸収されたロアール.ニューポール社は1932年からこの種の爆撃機の開発を手がけていた。 1935年5月に初飛行した第一号機Ni-140は艦上搭載型であった。 その設計コンセプトはその頃開発が始まったばかりのユンカ―スJU-87に驚くほど似ていた。 そのため設計者のM.ピヨンは後にフランスがドイツに占領されたとき、ユンカ―スの技術を盗んだとのスパイ容疑をかけられたほどである。 試作機の経験をもとに本格的に艦上急降下爆撃機の設計を始めた。 LN40の型式名を与えられた機体はNi-140と同じく逆ガル翼を持ち、垂直尾翼の下側は左右に開きダイブブレーキとして作用するようになっていた。 主翼は後方に折りたたみ式、主脚は後方に半引っ込み式であった。 LN40の試作機の試験飛行は1938年6月に始まり急降下テストやフックを使った着艦テストも行われた。 1939年7月にはフランス海軍のために36機が発注され、LN-401に正式型名が与えられた。 スペイン戦争で急降下爆撃の有効性を学んだフランス空軍もLN-411の型式名で40機を発注した。 LN-401との相違は主に主翼が折りたたみ式でないことであった。
最初の量産機は1939年春に完成しフランス海軍に引き渡され訓練に入った。 空軍にも納入されたが、LN-411は実戦にはスピードが遅すぎるとの判定が下され、ほとんどは海軍に譲り渡されてしまった。 ドイツのJU-87よりわずかにスピードが速いだけで爆弾搭載量がずっと少なく、とても敵戦闘機や対空砲火の中を突破できないと判断されたのである。 1940年5月10日から6月4日の間にLN-401,LN-411は進撃してくるドイツ軍に立ち向かったがほとんど撃墜されてしまった。 残存機はフランス南部に下がり、イタリア相手の作戦に従事した。
形式: 艦上急降下爆撃機 エンジン: イスパノ.スイザ 12Xcrs 液冷690馬力 最大速度: 320km/時(海面), 380km/時(高度 4,000m) 巡航速度 300km/時 航続距離:1,200km 上昇限度:9,500m 自重:2,243kg 全備重量:2,835kg 全幅:14.0m 全長:9.75m 武装:イスパノ.スイザ 20mm機関砲1門、7.7mm 機関銃2挺、爆弾225kg 生産台数: 72
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.8” Doubleday & Company, 1960 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.16” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Leonard Rosenthal “Nieuport 1909-1950” Collection Docavia Vo.38 Jean Cuny “Latecoere- Les avions et hydravions” Collection DOCAVIA Vol.34 Andre Van Haute “Pictorial History of the French Air Force” Ian Allen , London 1974