1938年、フランス空軍省はアルミニュームなどの戦略的材料を極力使わず、しかも航空産業以外でも作ることができる簡易な軽量戦闘機を目指した仕様を発布した。 当時コードロン社は試作が完成したばかりの軽量戦闘機C.714をベースにして新しい仕様に合致する戦闘機の設計を開始し、型式名CR.760が与えられた。 主翼は木製で全縁のスロットだけがマグネシュ―ム合金製、胴体は溶接鋼管の骨組みで、燃料タンクはエンジンと操縦席の中間に設けられた。 武装は主翼の下に取り付けられた6挺の機関銃で、弾丸数は最初は各銃300発であった。
CR.760の試作機は3機作られ、一号機と二号機の飛行テストは1940年早々に始まった。 テストの結果は上々でエンジンの馬力の割には性能がよく、とくに運動性に優れ、整備がしやすかった。 しかし2機の試作機はまもなく侵攻してきたドイツ軍の手に落ちないように、自らの手で破壊された。 3機目の機体はCR.770として完成された。
形式: 単座迎撃戦闘機 エンジン: イソッタ―フラシーニ デルタ R.C.40空冷12気筒730馬力 最大速度: 456km/時(海面), 566km/時(高度 5,000m) 航続距離:715km 海面上昇率 792m/分 上昇時間: 5分0秒(4,000mまで) 上昇限度:10,302m 自重:1,443kg 全備重量:1,858kg 全幅:8.97m 全長:8.89m 武装:7.5mm 機関銃6挺、 生産台数: 2
William Green “War Plane of The Second World War Vol.1” Doubleday & Company, 1960 “ Air International “ Sep. 1975