ドボアチンD.500シリーズはエミール.ドボアチンが1930年のフランス空軍仕様に基づいて設計した戦闘機である。 構造は低翼単葉、全金属製でエンジンはイスパノスイザ 12Xbrs液冷(500馬力)を搭載した。 1932年6月の初飛行以来この戦闘機シリーズの開発が進められた。フランス政府との最初の契約はドボアチンに対して4機の試作機と11機の量産機、リオレ.オリビエール社に対して40機であった。 結果的にはこのシリーズのほとんどは後者によって生産された。
D.501は650馬力のイスパノスイザ 12Xcrsエンジンを搭載、プロペラ軸から撃ち出す20mmイスパノスイザ機関砲(モーターカノン)を備え、フランス空軍への納入は1935年春から始まった。
1934年8月に初飛行したD.510は強力なイスパノスイザ HS 12 Ycrs(860馬力)を搭載、燃料タンクが大きくなり垂直尾翼も大きくなった。 この型は120機生産され、うち90機がフランス空軍に納入され水平速度が400km/時を超える最初の戦闘機となった。 第二次大戦の勃発時D.510は3つの戦闘機隊に配備されていたが、翌年の5月ドイツ軍の侵攻が始まる前にほとんどは訓練用として第一線から退くかアフリカ方面などに回されていた。 最大速度が400km/時ではドイツのメッサ-シュミットBf-109の敵ではないことは明白だったからである。
戦争が始まる前にD.510は中国に24機、リトニアに14機輸出されたほか、日本、イギリス、ソ連なども恐らくはモーターカノンの研究サンプルとして購入している。
形式: 単座戦闘機 エンジン: イスパノスイザHS 12 Ycrs液冷860馬力 最大速度:402km/時(高度 5,000m) 航続距離:1,000km 海面上昇率 720m/分 上昇時間:11分6秒(8,000mまで) 上昇限度:8,000m 自重:1,429kg 全備重量:1,921kg 全幅:12.10m 全長:7.94m 武装:20mmイスパノスイザ機関砲1門、 7.5mm 機関銃2挺 、 生産台数: 120
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.7” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998