ラテコアール 302

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モデルは AEROVAC製 1/72
バキュームフォームキット

ラテコアール302は商業輸送機ラテコアール300の軍用機版である。 モデル300は1928年フランス航空省が出した4発で4人の乗員、積載貨物1トンの飛行艇という仕様に応じて設計された。 1931年に初飛行したが試作機はテスト中に水没してしまった。 水中から引き上げられた機体は再生され翌年テストが再開された。 試作機は南十字と名づけられ、1934年1月フランスのベールからセネガルのセント.ルイスまでの3,770kmを飛び長距離国際記録を樹立して評判を呼んだ。 エアフランスが3機を発注したほか、長距離哨戒用として興味を持ったフランス海軍からも3機を受注した。 エンジンはスーパーチャージャーつきイスパノ.スイザ 12Ydrs2 (930馬力)を2基づつ前後直列に配置する構造であった。 フランス海軍への就役開始は1936年4月、ベールの海軍基地であった。 当初は主翼に引っ込み式の銃座を2基備えていたが、銃座を出したとき空気流が乱れ飛行が不安定になることが分かったので、この銃座は結局撤去されることになった。 第二次大戦勃発後、本機は西アフリカから英仏海峡までを幅広く哨戒任務に就いていたが、ドイツ軍が侵攻して来るに伴い、つぎつぎと廃棄された。

 
性能諸元(Latecoere 302)

形式: 長距離哨戒飛行艇 エンジン:イスパノ.スイザ 12Ydrs2液冷12気筒 930馬力 4基 武装:7.7mm 旋回式機関銃2挺 最大速度:240km/時(高度2,000m) 巡航速度:185km/時 上昇時間:12分30秒(2,000mまで) 上昇限度:5,000m 航続距離:3,300km 自重:14,310kg 全備重量:20,000kg 全幅:44.0m 全長:26.10m 生産台数:7

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.5” Doubleday & Company, 1960 Charles Christienne & Pierre Lissarrague “A History of French Military Aviation” MACH 1 (l’encycropedie de l’aviation) Vol.6 Editions Atlas Jean Cuny “Latecoere- Les avions et hydravions” Collection DOCAVIA Vol.34