おそらくフランス海軍でもっとも広く使われた飛行艇がロアール130である。 フランス海軍から1933年に出されたカタパルト発射可能な偵察機の仕様に応じて設計された。 この仕様にはブレゲーなど6社からの試作機が応じて激烈な競争となったが1936年8月になってロアール社の勝ちが決まり45機の発注をみた。 初飛行は1934年11月。 イスパノ.スイザ12Xbrslエンジン(720馬力)を搭載、金属製の骨組みに羽布張りの構造であった。 乗員は3人であったが、他に4人の乗客を乗せることができた。 主翼は折りたためるようになっていた。 第二次大戦勃発時ロアール130は水上機母艦コマンダン.テスト、戦艦ダンケルクおよびストラスブールなど多くの艦艇に搭載されていたほか、インドシナ、西インド諸島などの水上機基地に配備されていた。 1940年8月時点でドイツ占領下のフランス海軍は62機のロアール130を保有していたが、まもなくこれらの部隊は解散させられた。 1機が1940年秋にマルタのイギリス基地に脱出、その翌年の2月にも1機がイギリス領の西インド諸島に、他の1機がパレスチナへの脱出に成功している。 1942年11月にフランス海軍のすべての艦艇からはカタパルトが取り外され、ロアール130は以後水上機基地に配備された。 やがてこれらの機体はスペア部品の不足で漸次消滅していったが、インドシナにあった1機は1949年の時点でも飛んでいたと伝えられている。
形式: 艦艇搭載偵察用飛行艇 エンジン:イスパノ.スイザ 12 Xirs1液冷 720馬力 武装:7.7mm 旋回式機関銃2挺、 75kg爆弾2個 最大速度:220km/時(高度2,100m) 巡航速度 165km/時 上昇時間:11分0秒(3,000mまで) 上昇限度:6,000m 自重:2,050kg 全備重量:3,500kg 全幅:16.0m 全長:11.3m 生産台数: 125
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.5” Doubleday & Company, 1960 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.16” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 MACH 1 (l’encycropedie de l’aviation) Vol.6 Editions Atlas