ベッソンMB.35からの発展型であるMB.410は潜水艦に搭載する目的で開発された偵察機である。 135馬力のサルムソン空冷エンジンを搭載、分解、組み立てが迅速にできるよう設計されていた。1932年8月に初飛行したが、飛行テスト中に事故で失われてしまった。 フランス海軍は竣工したばかりの大型潜水艦シュルクーに搭載する偵察機を必要としていたので引き続き開発を命じ、MB.411として試作機2機が完成した。 1号機は潜水艦シュルクーに1935年に搭載され、潜水艦のもつ8インチ砲の弾着観測用として使われた。 MB.411を搭載した潜水艦シュルクーは1940年6月ブレストからの脱出に成功しプリマスに到着した。 以後MB.411はサウス.デヴォンとドーセットの間を数回飛行し、この機種を見たことがない見張り員を混乱させた。 MB.411はプリマスにあるときドイツの爆撃を受け損傷したので潜水艦シュルクーが1941年出港したときはMB.411は搭載されていなかった。 シュルクーは西インド方面でアメリカの貨物船と衝突して失われてしまったが、残されたMB.411の運命がどうなったのか不明である。
形式: 潜水艦搭載偵察機 エンジン:サルムソン 9ND 空冷 175馬力 最大速度: 185km/時(高度1,000m) 巡航速度 130km/時 上昇時間:8分0秒(1,500mまで) 航続距離:345km 自重:690kg 全備重量:1,140kg 全幅:12.0m 全長:8.25m 生産台数: 3
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.5” Doubleday & Company, 1960 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Michael Sharpe “Biplanes,Triplanes and Seaplanes” Prospero Books, 2000