ポテ 540

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モデルは SMER製 1/72

ポテ社はフランス空軍の近代化計画を察知して自主プログラムとしてポテ54の開発を始めた。 これは4人乗りの長距離護衛戦闘機あるいは偵察を目的としたもので1933年11月に初飛行した。 高翼タイプで主翼は金属製骨組みに羽布張り、胴体は全木製であった。 エンジンはイスパノスイザ 12Xbrs 12気筒( 690馬力)で胴体から突き出した小さい翼に取り付けられ、主脚はエンジンナセルに引き込まれるようになっていた。 爆弾架はその小翼の下につけられた。 1933年11月に初飛行し、1934年11月に第一号機がポテ540としてフランス陸軍に引き渡された。 ノーム.ローヌ 14Kdrs(720馬力)空冷エンジンを搭載した型はポテ541として作られた。 いずれの型も機首、胴体後上部、胴体後下部に手動操作の機関銃を持ち死角が無いと称していた。 また計器航法の機器も備えられ、必要に応じてカメラも搭載できた。 フランス空軍には合計240機が納入され主に長距離偵察部隊に配備された。 1935年にはポテ541型が9機ルーマニアに売られている。 6機が内戦下のスペイン政府に売却され、さらにフランス空軍に所属していた6機も秘密のうちにスペイン政府に引き渡された。 これらは爆撃機として使われたがほとんどが戦闘で失われてしまった。 スペイン軍の中では旧式ではあるが頑丈であるとの評価であった。 スペイン戦争が終了した後2機の生き残り機がフランスに帰った。 第二次大戦が始まったときにはポテ54シリーズはすべて第一線から退き訓練用として使われていた。 戦争初期のいわゆる“まやかしの戦争”期にはドイツ軍を欺くために21機のポテ540の木製模型が北フランスの飛行場に配置されたが実際にどれだけ効果があったかは明らかでない。

 
性能諸元(Potez 540)

形式: 偵察兼爆撃機  エンジン:イスパノ.スイザ 12Xirs液冷690馬力2基 最大速度: 310km/時(高度 m) 航続距離:1,250km 上昇時間:9分24秒(4,000mまで)  上昇限度:6,000m 自重: kg 全備重量: 5,900kg 全幅:22.1m 全長:16.22m 武装:7.5mm 旋回式機関銃3挺、爆弾900kg 生産台数: 272以上

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.20” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 MACH 1 (l’encycropedie de l’aviation) Vol.7 Editions Atlas