ブリストル.ブレニムの後継機として本機の開発が始まったときは初飛行する前に旧式化しているとは誰も思わなかったであろう。 原因はデハビランド.モスキートの登場であった。 この全木製の傑作機は防御火器がまったく無いコンセプトではあったが、同じ量の爆弾を搭載しながら時速が80kmも速かったのである。
バッキンガムの開発はRAFから出される仕様が再三にわたって変更になったうえ採用予定のブリストル.セントーラスエンジンのトラブルで遅れ、初飛行は1943年2月までずれこんでしまった。 量産型の初飛行はさらに遅れ1年後の2月であった。 このころにはアメリカの第8空軍の参加によってRAFの爆撃機生産の必要性が薄れてしまっていた。
スピードこそモスキートに劣ったが、より大きな航続距離を要求される対日作戦方面では有用であると判断され、東南アジア方面に配備されたもののこの時点では戦争の終結が見えてきていたので当初の400機の発注は119機に減らされてしまった。 結局54機だけが爆撃機として使われ残りの65機は輸送機として使われた。
形式: 高速爆撃機 エンジン: ブリストル.セントーラスVII 空冷18気筒2,225馬力(高度3,355m) 最大速度:528km/時(高度 3,660m) 巡航速度:456km/時(高度2,884m) 航続距離:3,440km 上昇率:520m/分 上昇限度:7,625m 自重:10,905kg 全備重量:17,259kg 全幅:21.9m 全長:14.30m 武装:7.7mm機関銃4挺、7.7mm 旋回式機関銃4挺、爆弾1,818kg 生産台数:119
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Peter Lewis “The British Bomber since 1914” Putnam 1967
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Cooper,H.J..O.G.Thetford,E.J.Riding "Aircraft of the Fighting Powers"(2-65)-2
“Jane’s All the World’s Aircraft 1945” Collector’s Edition