デハビランド モスキート 戦闘爆撃機型 

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モデルは AIRFIX製 1/72

モスキートは高速の爆撃機あるいは写真偵察機として開発されたものであるが、その高速ぶりと軽快な運動性を買われて戦闘爆撃機型が計画されたのは不思議ではない。 機首に4門のイスパノスイザ20mm機関砲と4挺の7.7mm機関銃を備え、1トンの爆弾を搭載できるこの型が第一線に登場したのは1943年春であるが、結局この型がモスキートのなかでもっとも多く生産された。 あらゆる前線で重宝されたが、もっともモスキートの特徴を発揮したのは高速を生かして少数機で敵地に侵入し、ピンポイントで目標を攻撃することであった。 もっとも有名なものが映画にもなった、1944年2月18日に行われたフランスのアミアンにあったドイツの捕虜収容所攻撃である。 この作戦で死刑を待つばかりであったフランスのレジスタンス闘士を逃亡させるために超低空爆撃で収容所の壁を破壊し、捕虜の脱出を助けた作戦であった。 またオーボエといわれた電子装置を使い、ベルギーの市街地にあるゲシュタポの本部を雲の上からピンポイント爆撃で破壊している。 これでヒットラーは軍の中に内通者がいるに違いないと思いやっきになって探せたという話が残っている。

 
性能諸元(Mosquito Mk.VI)

形式:双発戦闘爆撃機  エンジン:ロールスロイス マーリン25液冷 1,635 馬力2基   最大速度:579km/時(高度 3,962m)   巡航速度:520km/時(高度 4,572m)   上昇率:570m/分   上昇限度:10,058m   航続距離:2,640km   武装: 20mm機関砲4門、7.7mm機関銃4挺、爆弾 910kg   自重:6,492kg   全備重量:8,853kg   全幅:16.51m   全長:13.56m   生産台数:7,785(各型合計)

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.21
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
William Green “War Plane of The Second World War Vol.6” Doubleday & Company, 1960
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bill Gunston "Fighting Aircraft of World War II" Prentice Hall Press 1988