ホーカー フューリー 

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モデルは MONOGRAM製 1/72

フュ-リーは複葉機の中にあっては疑いなく最も洗練された戦闘機のひとつであり、イギリス空軍に採用された水平速度が初めて200マイル/時に達した航空機である。 イギリス空軍が出した仕様、F.20/27に基づいてホーカー社のシドニー.カムが設計した複葉単座戦闘機はホーネットと名づけられ、エンジンにブリストル.ジュピター(450馬力)を装備して1928年に初飛行した。 テストで好成績を収めたのでホーカー社はさらに自主開発でロールス.ロイス ケストレルエンジン(480馬力)に喚装したものを製作した。これが空軍に買い上げられ、型名をフューリー Ⅰとして1930年8月21機の受注をした。 フューリー Ⅰはイギリス空軍仕様 13/30に基づいて設計されたことになっているが、実のところはフューリーの性能に合わせて空軍仕様が作られたといった方が正確であった。 胴体の構造は当時の標準の溶接鋼管の骨組みに前半部は金属外皮、後半部は羽布張りであった。 エンジンはロールス.ロイス ケストレル ⅡS。 標準武装はヴィッカース 7.7mm機関銃2挺に小型爆弾を装着できた。 量産型の初飛行は1931年3月25日。 最初の16機は5月31日に第一線に配備された。 フューリーは当時としては破格の上昇力を持ち高度3,000mまで4分15秒で到達できた。 運動性は極めて良く、また水平速度が初めて322km/時に達する初めてのイギリス戦闘機となった。 その後ホーカー社はさらに自主開発でケストレル VIエンジン(640馬力)を搭載したフュ-リーⅡを設計、またもやRAFがこれに追従するかたちで仕様(6/32)を出し正式に採用となった。 フュ-リーⅡは1937年初頭に第一線に配備されたが、第二次大戦勃発時には64機が訓練部隊に残っているだけとなった。 フュ-リーの高性能は諸外国の目を付けるところとなり、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、南アフリカ連邦などに輸出され、南アフリカ連邦軍のフュ-リーは第二次大戦の初期、アフリカ戦線でドイツ、イタリア機と戦っている。

 
性能諸元(Fury Mk.2)

形式:複葉単座戦闘機  エンジン:ロールス.ロイス ケストレル VⅠ12気筒液冷 640馬力   武装:7.7mm 機関銃2挺   最大速度:359km/時(高度5,030m)  上昇時間:3分50秒(3,000mまで)   上昇限度:8,990m  航続距離:435km   自重:1,241kg  全備重量:1,638kg   全幅:9.14m  全長:8.15m   生産台数:262

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.12
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
William Green & Gordon Swanborough “Flying Colors” Salamander Books Ltd.,London, 1981
Brian Johnson “Classic Aircraft” Channel 4 Books, 1998
Peter Lewis “The British Fighter since 1912” Putnam 1965
Francis K Mason “Hawker Aircraft since 1920” Putnam Aeronautical Books 1961
Bryan Cooper & John Batchelor “Fighter” Ballantine Books, Ltd., Toronto Canada 1973