グロスター グラジエター 

画像をクリックして拡大

モデルは MATCHBOX製 1/72

グラジエターはイギリス空軍最後の複葉戦闘機であり、イタリアのフィアット CR-42、ソ連のポリカルポフ I-153と並んで実戦に参加した最後の複葉戦闘機となった。 グラジエターの設計が始まったのは近代的な低翼単葉機ハリケーンの開発がスタートしたのと時を同じくしており、グラジエターはあきらかに過度期の設計であった。 第二次大戦が始まったときはすでに旧式化していたが、それでも最初の2年間は主に地中海、アフリカ方面で活躍した。 とくにマルタ島攻防戦で奮闘したことは有名である。  グラジエターはイギリス空軍仕様 F.7/30に基づき自主開発されたもので1934年9月に初飛行した。 エンジンはブリストル.マーキュリーVIS空冷(640馬力)。 1935年7月、イギリス空軍から23機を受注し、グラジエターの名称を与えられた。 3ヶ月後さらに186機を受注し、翌年7月から引き渡しが始まった。 部隊への引き渡しは1937年1月。 量産型はエンジンにマーキュリーIX(840馬力)、7.7mmブローニング機関銃を4挺装備していた。 イギリス空軍にたいするグラジエター最後の引き渡しは1940年春、輸出を除いた生産台数は311機となった。 このうち38機が艦上機用に改造され、別に60機がシーグラジエターとして艦上機専用に作られた。1940年、シーグラジエターがアフリカ方面、地中海で使われたが、なかでも有名なのが4月のマルタ島攻防戦である。 3機のグラジエターがハリケーンの増援が来るまで18日間イタリア軍の攻撃を耐え抜いたのである。 第二次大戦勃発時イギリス空軍の13の部隊がグラジエターで装備されており、開戦と同時に2個中隊がフランスとノルウェーに派遣された。 イギリス本土には1個中隊が残るのみであった。 一方グラジエターは数多くの国に輸出された。 ラトビアに26機、リトアニアに14機、中国に36機、フィンランドに30機、ベルギーに22機といった風で、輸出合計は216機に達した。

 
性能諸元(Gladiator Mk.1)

形式:複葉単座戦闘機   エンジン:空冷9気筒 離昇出力 840馬力   武装:7.7mm ブローニング機関銃4挺   最大速度:405km/時(高度4,420m)  巡航速度:339km/時(高度4,720m)   上昇時間:1分54秒(1,520mまで)  上昇限度:10,058m   航続距離:656km   自重:1,578kg   全備重量:2,157kg   全幅:9.83m   全長:8.36m   生産台数:527

参考文献

William Green “War Plane of The Second World War Vol.2” Doubleday & Company, 1960
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.11
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Michael Sharpe “Biplanes,Triplanes and Seaplanes” Prospero Books, 2000
William Green & Gordon Swanborough “Flying Colors” Salamander Books Ltd.,London, 1981
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “Combat Aircraft of World War 2 1933-1937” Brian Johnson “Classic Aircraft” Channel 4 Books, 1998
Bryan Cooper & John Batchelor “Fighter” Ballantine Books, Ltd., Toronto Canada 1973