マイルズ M-20 

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モデルは MAGNA MODELS製 1/72
レジンキット

1940年、バトルオブブリテンが始まる直前のイギリス空軍の最大の懸案事項は戦闘機の不足であった。 この急場をしのぐためにマイルズ社が自主的に設計したM.20は予想されるアルミニュームなどの戦略物資の不足を見越して構造は全木製とし、主脚は製作の容易な固定式、その他同社の練習機マスターの部品をできるだけ共用する設計であった。 開発は空軍当局から認可され、試作第一号機は設計開始からわずか9週間と2日後の9月14日に完成、飛行した。 1,240馬力のマーリンXXエンジンを装備、武装は7.7mm機関銃8挺であった。 M.20の優れた点はバブル型風防の採用によりきわめて良好な視界が得られたことであった。 試作機の最高速度は高度6,218mで552km/時に達し、ハリケーン戦闘機をしのぐものであった。 航続距離も2,000kmに近くハリケーン、スピットファイアを大きく上回った。 しかしハリケーン、スピットファイアが量的に不足するという事態は起こらず、M.20の正式採用はならなかった。 マイルズ社はイギリス海軍用として着艦フックを備え、カタパルト発射できるように改造された機体を設計して海軍でテストされたが固定脚のため海上に不時着するのが危険であるほか、いくつかの問題点を指摘され結局採用されなかった。 

 
性能諸元(M-20)

形式: 単座戦闘機   エンジン: ロールスロイス.マーリンXX 液冷1,1240馬力   最大速度:472km/時(海面) 532km/時(高度 6,218m)   巡航速度:336km/時  航続距離:1,920km  海面上昇率 701m/分  上昇限度:9,997m  自重:2,671kg   全備重量:3,432kg   全幅:10.54m   全長:9.35m  武装:7.7mm 機関銃8挺、 生産台数: 2

参考文献

William Green “War Plane of The Second World War Vol.2” Doubleday & Company, 1960 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Peter Lewis “The British Fighter since 1912” Putnam 1965 Don L. Brown “Miles Aircraft since 1925”