マーチン.ベーカー  MB.2 

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モデルは AIRFRAME製 1/72
バキュームフォームキット

後に射出式座席で有名になったマーチン.ベーカー社が設計した最初の戦闘機である。 イギリス空軍から出された仕様F.5/34に応じて自主プログラムとして設計された。 7.7mm機関銃を8挺搭載した本機の特徴はきわめて整備がしやすいことであった。 天才的技術者であったマーチンのアイデアが随所に盛りこまれ、エンジンの交換は90分ででき、主翼を胴体から取り外すのに1時間半しかかからなかった。 当時戦闘機の機関銃の弾丸を充填するのに1時間近くかかるのが普通であったのに、MB-2では5分でできたのである。 初飛行は1938年8月、固定脚ながらハリケーン戦闘機を上回る最高速度563km/時を出した。 試作機は1939年2月にイギリス空軍に買い上げられ公式テストされた。 結果は仕上げ、整備のしやすさでは最高の評価を受け、いくつかの構造は今後の航空機の標準に採用すべきであるとの報告がされた。 いっぽう性能については飛行安定性を欠きいまひとつという評価であった。 MB-2は画期的な機能を盛りこみ、作りやすく、整備も容易で、しかもイギリスがもっとも緊急に戦闘機を必要とする時期になぜイギリス空軍に正式採用とならなかったのか未だに謎とされている。 マーチンは固定脚であった一号機を引っ込み脚に変えた二号機を計画したが、戦争が始まったためこれは中止された。 

 
性能諸元(MB.2)

形式: 戦闘機   エンジン: ネピア.ダガ―III 空冷798馬力   最大速度:563km/時 全幅:10.36m   全長:10.41m   武装:7.7mm ブローニング機関銃8挺、  生産台数: 1

参考文献

Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Peter Lewis “The British Fighter since 1912” Putnam 1965 “Air International” Feb. 1979 “Fly Past” Jan. 1999 “Air Combat” Mar. 1977