第二次大戦で活躍した飛行機のなかでもモスキートほどいろいろな用途に使われ、どの分野でも最高の性能を発揮したものはない。 そのなかでもモスキートがずばぬけた特性を発揮したのは夜間戦闘機としてであった。 夜間戦闘では昼間戦闘機ほどの運動性は要求されない。 その代わり重いレーダー装置を搭載しなければならないので双発で高速が出せ、しかも機首に重武装ができるモスキートは最適であった。
モスキートの最初の3機の試作機のうちの一つが戦闘機型として製作された。 最初の部隊配属は1942年5月、AI4型レーダーを装備し、その月末に最初の撃墜を記録している。 モスキート夜間戦闘機は最初はイギリス本土防衛の任についていたが、イギリスがドイツ本土空襲を行うようになってからは爆撃隊に随伴してドイツ夜間戦闘機隊にたいして猛威をふるった。 ドイツ奥地に侵入するモスキートの多くはモニカ(Monica)と呼ばれた後方探索レーダーを装備していた。 このレーダーから発信するレーダー波を追尾してドイツ夜間戦闘機が後方から接近してくるのを射撃寸前で急旋回して相手の後ろに回り込む戦法が功を奏したのである。モスキートに唯一対抗できたのはハインケル He219 夜間戦闘機であったが幸いなことに種々の理由で He219 の生産が進まず十分な十分な活躍ができなかった。
形式: 複座戦闘機 エンジン: ロールスロイスマーリン21 液冷1,460馬力2基 最大速度:595km/時 航続距離:2,744km 上昇限度:10,973m 全備重量:8,922kg 全幅:16.50m 全長:12.54m 武装:20mmイスパノスイザ機関砲4門、 7.7mm機関銃4挺 生産台数:7,785(各型合計)
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.21
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
William Green “War Plane of The Second World War Vol.6” Doubleday & Company, 1960
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Bill Gunston "Fighting Aircraft of World War II" Prentice Hall Press 1988