スーパーマリン スピットフィア Mk.9 

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モデルは AIRFIX製 1/72

1941年の末、イギリスの主力戦闘機スピットファイア5型はドイツのメッサ-シュミットBf 109の改良型とは苦戦を強いられ、フォッケウルフFw 190Aには歯が立たないという状況に置かれていた。 これらのドイツ戦闘機に対抗できるものを一刻も早く開発することが緊急の課題であった。 その案として出されたのがスピットファイヤの現行の機体に2速2段加吸器つきの強力なマーリン60型エンジンを搭載することであった。 ことは緊急を要するため改造は従来より重いエンジンと4翔のロートルプロペラを搭載するのに最小限必要な事項だけに留められスピットファイア9型として作られた。 もともとこの9型は暫定的なもののはずであったが結果的には5665機が生産されスピットファイアの各型のなかでもっとも多くの生産量を記録することになったのである。 9型は1942年7月から前線に登場しはじめ、Fw 190にはなお上昇力で劣っていたものの他の面ではドイツ機との差を大幅にちじめることができた。 見かけは5型とほとんど変わらないため最初のころはドイツ機のパイロットには区別がつかず5型の性能を予測して接近してきたため、イギリス機は優位な運動をすることができた。 戦争の後半になると9型は地上攻撃に多く使用されるようになり、低空飛行性能向上のため主翼の翼端を切り落とした型も登場した。 また胴体後部に燃料タンクを増設したものが標準となった。   

 
性能諸元(Spitfire Mk.9)

形式: 戦闘機   エンジン: ロールス.ロイス マーリン 61 液冷1,565馬力   最大速度:655km/時(高度 7,620m)   巡航速度 521km/時  航続距離:1,576km   海面上昇率 1,204m/分  上昇限度:12,106m   自重:2,545kg   全備重量:4,309kg   全幅:11.22m   全長:9.46m   武装:20mmイスパノ機関砲2門、7.7mm 機関銃2挺、爆弾454kg   生産台数:20,351(各型合計)

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.2” Doubleday & Company, 1960 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Bill Gunston “Fighting Aircraft of World War 2”, Prentice Hall Press 1988 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol. 22” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “Combat Aircraft of World War 2 1938-1939”