ヴィッカース 432 

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モデルは KORA製 1/72
レジンキット

1940年、当時のイギリス戦闘機が到達できない高度で侵入してくるかもしれないドイツ機の迎撃がイギリスの大きな課題であり、空軍省は与圧式キャビンを備えた高高度迎撃戦闘機の仕様を発表した。これに応えてヴィッカース社が設計したのがタイプ432である。試作機の初飛行は1942年12月、競争相手のウェストランド.ウェルキンの飛行に遅れること数週間であった。与圧式の風防はバブル型でパイロットの乗降時には片側に開くようになっていた。構造は羽布張りの可動部以外は全金属製モノコック構造であった。 試作機は地上では取り扱いが難しかったが、いったん空中に上がるときわめて良好な性能を示し、競争相手のウエストランド.ウエルキンよりもかなり優速であった。しかし比較評価の結果ウエルキンが選ばれ、タイプ432は翼構造の比較検討用として用いられただけであった。テストは1944年まで続けられたが、その時点でスクラップにされた。

 
性能諸元(Vickers 432)

形式: 高高度迎撃戦闘機   エンジン: ロールス.ロイス マーリン61液冷1,520馬力2基   最大速度:512km/時(海面) 704km/時(高度 8,534m)   巡航速度 640km/時   航続距離:1,616km   海面上昇率 838m/分   上昇時間:5分0秒(4,572mまで)   上昇限度:13,260m   自重:5,523kg   全備重量:7,151kg   全幅:17.52m   全長:12.40m   武装:20mm機関砲6門   生産台数: 1

参考文献

William Green “War Plane of The Second World War Vol.2” Doubleday & Company, 1960
Peter Lewis “The British Fighter since 1912” Putnam 1965