アブロ アンソン 

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モデルは AIRFIX製 1/72

アブロ アンソンは1952年5月に最後の機体が製造ラインから送り出されるまで実に生産が17年間も続きイギリス航空機界ではもっとも長い寿命の航空機となった。 またこの種の機体としては異例の1万機以上の生産台数を誇りもっとも広く使われた航空機のひとつとなった。 設計は1933年、イギリスのインペリアル航空会社からの要望で乗客4人乗りで巡航速度が209km/時以上の旅客機として始まった。 試作機は低翼単葉、引っ込み式車輪、エンジンはアームストロング.シドレ-.チータ Vを搭載し1935年1月に初飛行した。 2機の試作機はインペリアル航空会社に買い取られ1938年まで航法訓練機として使われた。 軍用機型は1935年3月に初飛行し、翌月から軍の公式テストが始められた。 若干の変更の後1935年12月に量産型第一号機がアンソン Mk.1として初飛行し最初は沿岸哨戒部隊に配備され、1942年にロッキード.ハドソンに置き換えられるまで使われた。 アンソンがもっとも有用性を発揮したのは練習機としてである。 1939年イギリス連邦内でパイロット養成プログラムが実施され、アンソンが標準練習機として設定され広く使われた。 生産は当初イギリス国内で行われたが戦局が厳しくなるとカナダでも行われ、一部はアメリカに送られAT-20として訓練用に使われた。 またオーストラリア、エジプト、フィンランド、ギリシャなどにも輸出されている。1958年6月、通信部隊に属する6機のアンソンがハンプシャー州の基地上空を編隊飛行したのを最後に22年にわたる生涯を終えたのである。 

 
性能諸元(Anson Mk.1)

形式: 偵察汎用機   エンジン: アームストロング.チータ IX空冷335馬力   最大速度:302km/時   巡航速度 254km/時   航続距離:1,062km  海面上昇率 293m/分  上昇限度:5,791m   自重:2,438kg   全備重量:3,629kg   全幅:17.22m   全長:12.87m   武装:7.7mm機関銃1挺、7.7mm 旋回式機関銃1挺、爆弾163kg   生産台数:11,022

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol. 2” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998