イギリス空軍省は当時開発され始めていたターボプロップエンジンを搭載した練習機の必要性を感じ、ターボプロップエンジン搭載の3座席の練習機を開発を目的とした開発仕様書T.7/45を1945年に発布した。 これに応じてボールトンポール社が開発したものがバリオールである。 機体の試作はできていたがエンジンの開発が遅れたため、従来からあるブリストル.マーキュリー空冷ピストンエンジン(820馬力)が間に合わせに搭載され、初飛行が行われたのは1947年5月であった。 10ケ月後2号機が飛行した。 これは世界で初めてのターボプロップエンジンを搭載した飛行機である。 当初は3座席を要求した空軍省が考えを変え複座のピストンエンジン(ロールスロイス.マーリンエンジン)搭載に仕様を変更した。
テスト飛行の結果は上々でボールトン.ポール社はかなりの機数の発注を受けた。 従来使われていたアメリカのノースアメリカン社のハーバード練習機の置き換えである。 しかし1951年に至り空軍省は再び考えを変え、練習機はすべてジェット機で行うことにしたのである。 資料によって異なるがバリオールの生産台数はRAF向けにボールトン.ポール社で162機、他にブラックバーン社で30機が作られている。 うち10機程度はセイロン空軍に引き渡されている。 海軍用として主脚の強度をあげ着艦フックをつけたものが30機が作られた。 バリオールの1機は現在もイギリスはコスフォードにあるRAF航空博物館に展示されている。
形式: 高等練習機 エンジン:ロールスロイス マーリン35 液冷1245馬力 最大速度:463km/時(高度:2,745m) 航続距離:1,062km 上昇限度:9,905m 自重:3,043kg 全備重量:3,815kg 全幅:11.99m 全長:10.71m 武装:7.7mm機関銃1挺 生産台数:222
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Daivid Donald ed. "The Encyclopedia of World Aircraft" Prospero Books