ウェストランド ライサンダー 

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モデルは MATCHBOX製 1/72

ウエストランド社の航空機のなかではもっとも有名なものである。 1934年のイギリス空軍から出された陸軍直接協同機の仕様に応じて設計された。 高翼単葉で主脚の根元につけられた小さい羽が特徴的である。 金属製の骨組みに羽布張りの構造で、二人の乗員は閉鎖式の風防内におさまり、エンジンは空冷のブリストル.マーキュリーである。 初飛行は1936年6月、テストは好成績のうちに終わり、正式採用となって144機の発注を受けた。 部隊配備は1938年6月からで、第二次大戦勃発時にはイギリス本土に7つ、エジプトにひとつのライサンダ―部隊があった。 ライサンダ―はフランスに配備された最初のイギリス機であり、またダンケルクの撤退では必要な物資を投下したりドイツ軍陣地を攻撃したりして最後までふみとどまっていたイギリス機であった。 174機がフランスに派遣されたが、そのうち130機が失われた。 ライサンダ―の主な用途は戦術偵察と砲兵の弾着観測であったが、運動性のよさで戦闘機としても使われ、1939年の11月、ドイツのハインケル爆撃機を撃墜したこともある。 これがイギリス上空で始めて撃墜されたドイツ機となった。 その操縦性のよさと短距離離着陸能力を買われて占領下のフランスに夜間に密かに着陸、諜報部員やレジスタンス活動員を降したり、ひろいあげたりする任務に大活躍した。 この目的のためには増加燃料タンクと胴体にはしごをつけた型が作られ、1941年から1944年までの間に400回の任務をこなし、800人の“客”を占領地の奥深くに運んだのである。 ライサンダ―はまたエジプトへ20機、フィンランドへ9機、ポルトガルへ8機、トルコへ36機が売られ広く使われた。

 
性能諸元(Lysander Mk.3)

形式: 陸軍協同機   エンジン:ブリストル.マーキュリー XX 870馬力 武装:7.7mm ブローニング機関銃2挺 7.7mm 旋回式機関銃1挺、9kg爆弾16個   最大速度:336km/時(海面) 上昇時間:4分6秒(1,524mまで) 上昇限度:6,553m 航続距離:965km 自重:1,980kg 全備重量:2,865kg 全幅:15.24m 全長:9.29m 生産台数:1,652

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.17” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998