M.33 モニターはイギリス空軍仕様 Q.9/42 に応えて設計された標的けん引機である。 空軍仕様は時速480kmで標的をけん引でき、滞空時間が3,4時間以上あることであった。 試作機は1944年4月に初飛行最高速度576km/時を記録したものの空軍はこのプロジェクトを中止してしまった。 おりしも海軍では敵艦に対する急降下爆撃の訓練ができる練習機を必要としていたので本機に目をつけ、この目的のためダイブブレーキをつけるなどの改造をされた。
マークIIは主に海軍で標的けん引のために使われ、長さ1800mのケーブルに吹き流しまたは翼をつけた標的機をけん引した。 予備の標的吹き流しは胴体内に収容されており、飛行中に取り換えることができた。 翼つき標的は離陸するときからけん引された。
モニターは翼は木製、胴体は金属製で当初は開発時間を短縮するために主翼と降着装置はボーファイター戦闘機と同じものを使う予定であったが、ボーファイターの生産に余裕がなかったため別に設計された。 エンジンは2基のアメリカのライト R-2600 空冷14気筒(2,600馬力)でプロペラもアメリカのハミルトン製であった。
600機が発注されたが終戦にともなってキャンセルまでに20機が完成していたものの第一線に配備されずに終わった。
形式: 標的曳航機 エンジン:ライト空冷14気筒 2,600馬力2基 最大速度:576km/時 巡航速度:480km/時(高度6,100m) 失速速度:144km/時 上昇時間: 30分(4,575mまで) 自重:7,145kg 全備重量:9,500kg 全幅:16.85m 全長:14.25m 生産台数:20
"Jane's Fighting Aircraft of W.W.II" Bracken Books
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.12”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Owen Thetford “British Naval Aircraft since 1912” Putnam Aeronautical Books 1958