1935年にドイツ空軍から出された急降下爆撃機の仕様に応じて設計された3社の機体は同じ仕様に対して作られたとは思えないほどきわだった違いを見せた。 アラド社の設計は複葉機であり、ユンカ―ス社は逆ガル翼の固定脚で空力的洗練さのかけらもないJu-87、ハインケル社のHe 118は引っ込み脚で優雅で空力的に洗練された機体をもっていた。 初飛行は1935年暮れ、エンジンはイギリスの12気筒のロールスロイス.ブザード845馬力であったが、2号機からはダイムラーベンツDB600エンジンを装備した。 翌年初頭に行われた比較テストではユンカ―ス Ju 87に比べてかんばしいものではなかった。 垂直に近い急降下をして見せたユンカ―スに対してハインケルチームは50度の降下にとどまったのである。 その結果Ju 87が急降下爆撃機として正式採用となったが、ハインケルはHe 118を外国に売ることを許された。 日本海軍がこれに興味を示し、1937年に試作機1機の購入とライセンス生産契約をしたが、テスト飛行中に空中分解を起こし、生産計画は中止された。 また同年日本陸軍もべつに1機を購入している。
形式: 単座または複座急降下爆撃機 エンジン:ダイムラー.ベンツDB600C 液冷12気筒 850馬力 武装:7.9mm MG17機関銃2挺、7.9mmMG 15旋回式機関銃1挺、爆弾500kg 最大速度 320km/時(海面),386km/時(高度 6,000m) 巡航速度 333km/時 上昇時間:6分6秒(2,000mまで) 航続距離:1,043km 自重:2,702kg 全備重量:4,123kg 全幅:15.09m 全長:11.79m 生産台数: 5
William Green “Warplanes of the Third Reich” Military Book Society, London 1970