第二次世界大戦の早い段階からドイツ空軍は大型の戦略爆撃機の欠如を懸念していた。　最初ハインケルHe177爆撃機がこの役を果たすことが期待されていたが、種々のトラブルに悩まされて開発が進まないため１９４４年の始めにこの仕事がユンカース社にまわってきた。　ユンカース社はできるだけ現有のJu188,Ju288,Ju388の部材を活用して手間を節約して大型爆撃機を早期に開発できることを提案し採用されたのである。 　具体的には与圧キャビンを含む機首部分はJu388K、胴体中央から後半部分はJu188E,Ju88、尾部はJu288Cのものを活用する計画であった。　工場は占領下にあるフランスのツ―ルーズにあるもとラテコアール社の工場が選ばれた。　 　試作第一号機と第二号機のエンジンはBMW801TJ空冷14気筒1800馬力が４基で２トンの爆弾を積んで航続距離2000km以上の予定であった。　３名の乗員はすべて機首に集められ降着車輪は４基のエンジンナセルに１個づつ収められるという変わった構造であった。 　三号機以降は機首のコクピット部分が大幅に設計変更がされ見た目もJu388と違うものになり、同時に胴体後方と尾部にリモートコントロール操作の機関銃が備えられた。　エンジンもユンカース．ユモ222Aに代わり爆弾倉の大きさも倍になった。　これら部材がすべて完成し１９４４年７月１６日に組み立てのためユンカース工場に鉄道輸送されることになっていたがフランスのレジスタンス活動家がこれを阻止して破壊してしまった。 　これにめげず開発は進められていたが１９４４年１１月になってドイツ空軍は突然本計画の中止を決定した。　この設計データを日本に売ろうとしたが実現しなかった。