バトルオブブリテンの翌年、１９４１年になってもBf 109は疑いも無く世界第一級の戦闘機であったが、その最盛期は過ぎようとしており、ドイツ空軍としては次期機種の開発が進められなくてはならない時期であった。　しかしゲーリングを始め空軍首脳部は本機の能力を過信し、まったく新しい機種を開発するかわりにBf 109の改良型で十分と考えていた。　このような状況で生まれたのがG型である。　結果的にはBf 109シリーズの中でもっとも多く生産され、その数は26,000機を越えた。　しかし相次ぐ装備の追加で重量が増え戦闘機としての性能はむしろ前のF型より低下しているとしてパイロットの受けはあまり良くなかった。　強力ながら重量の重いDB 605エンジンを搭載するために降着装置を始め各部の強化が図られ、また与圧型コクピットが導入された。　標準武装はF型と同じくプロペラシャフトから撃ち出す20mm MG151機関砲１門と7.9mm MG17機関銃２挺であった。　１９４２年後半から生産されたG-6型からは両翼に20mm機関砲を備えたものが標準となった。　アメリカ軍による昼間爆撃がはげしくなったころからは強力無比の30mm MK-108機関砲を装備したものも登場した。　１９４３年夏にはBf 109の生産は月産７２５機に達し、その年全体では6,418機、その翌年には14,212機にもなった。　また生産はハンガリー、ルーマニアでも行われた。　 １９４２年の夏時点では第一線に９００機のBf 109が配備され、その２／３はG型であった。