１９３６年の予算で初の航空母艦を建造することを決定していたドイツ海軍はこれに先だって空母搭載用の雷撃、偵察兼用機の開発をアラド社に指示していた。 母艦発着用の車輪装備タイプと水上機タイプの２種類である。 １９３６年秋に初飛行した機体は複葉、複座。 胴体は金属製モノコック構造。 主翼は後方に折りたたむようになっていた。 エンジンは９気筒８４５馬力のＢＭＷ１３２。 テスト飛行の結果、空母が就役するころには本機は時代遅れになっていることが明らかだったので新仕様が提出され、Ａｒ１９５、フィーゼラー Ｆｉ１６７の開発につながることとなった。 その一方でアラド社は水上機型のＡｒ９５の生産の準備をし、外国の顧客を探しはじめた。 これはＡｒ９５Ａ-０と名づけられ、３座席、ＢＭＷ１３２Ｄ エンジン(880馬力）、アメリカのハミルトン３翔可変ピッチプロペラを採用、武装は胴体前部に7.9mm ＭＧ１７機関銃１挺（携行弾数 500)、後部座席に旋回式7.9mm機関銃１挺（携行弾数 75)を備えていた。 このタイプは６機生産され、１９３８年スペイン市民戦争下のコンドル軍団に送られた。 このうち３機は翌年スペインのフランコ軍に引き渡され１９４８年まで使われることとなった。 複座タイプのＡｒ９５A-1は１９３８年から生産が始まり、ドイツ空軍に８機、チリ空軍に６機が納入された。 ドイツ空軍に配属されたＡｒ９５は主に東部戦線でＢＶ１３８飛行艇に置き換わられるまで使われた。