1933年ブロームウントフォス造船所は飛行機製造部門を開設した。 長距離哨戒飛行艇の開発がその目的であった。 いろいろな形状が検討されたが最終的に残ったのが胴体を短くして2本のビームを出して尾翼を支える構造であった。しかし搭載予定エンジンを開発するメーカーがつぎつぎと断念するに至り、結局3基のユンカース205Cデイーゼルエンジン(880馬力)を搭載することになった。
試作開始から27ケ月経った1937年7月ようやく初飛行にこぎつけたが、水上滑空安定性が、悪く胴体下部の根本からの構造変更が必要なことが明らかであった。
最初の量産型はBv138A-1として1940年4月に誕生した。 当時ノルウェー侵攻作戦で飛行艇を必要としていたドイツ軍は最初の2機をただちに戦線に投入した。 すぐ判明したことは構造的強度を増やすことと防御火器が必要であることで、胴体の前部と後部に動力銃座搭載の20mmMG151機関砲を1門ずつ、13mm機関銃1挺が胴体後部に備えられた。
1941年から1943年の間に227機のBv138が作られた。 定速回転プロペラが標準装備で中央エンジンは4翔プロペラ、左右のエンジンは3翔プロペラを駆動した。 主翼中央部の下に150kg爆弾を携行することができた。 空飛ぶ靴とあだ名されノルウェーからエジプトまで、輸送船団護衛から機雷敷設まで幅広く活躍した。 大きな磁気コイルを機体の下部につけ水中に潜っている潜水艦探知に使われた型もある。
形式: 長距離沿岸哨戒水上機 エンジン: ユンカ―ス.ユモ 205C 880馬力3基 武装:20mmMG151動力銃座機関砲2門、13mmMG131旋回式機関銃1挺 最大速度:283km/時(高度 3,000m) 巡航速度 233km/時 上昇時間:4分0秒(1,000mまで) 上昇限度:5,000m 航続距離:4,272km 自重:11,780kg 全備重量:17,393kg 全幅:27m 全長:22m 生産台数: 279
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
William Green “War Plane of The Second World War Vol.6” Doubleday & Company, 1960
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.5”