ブロームウントフォス Bv 141 

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モデルは 製 1/72

いつの時代にも時として奇想天外なアイデアは現れるものである。 設計技師リチャード.フォクツ博士に手になる短距離偵察ならびに地上軍共同作戦機ブロームウントフォスBv-141がそうであった。   1937年初頭ドイツ空軍はアラド社とフォッケウルフ社に対して軽爆撃機としても使える短距離偵察機の開発を命じる仕様を出した。 内容は3座席であること、優れた全方向の視界、850~900馬力のエンジンが使えるなどであった。 ブロームウントフォス社はこの開発の対象とされていなかったが、フォクツは私案として革新的なアイデアを提出したのである。 軍からの要求には単発にすべしとは書いてなかったが、フォクツは全方向の視界をよくするためにエンジンは単発とし主翼の片方にエンジン、反対側に搭乗員席を載せて重量のバランスをとり水平尾翼も片側だけというとっぴな構造を考え出した。 この構造は単発機に必然的に起こるプロペラの回転と反対方向に機体が回転する傾向を打ち消し飛行姿勢を安定化する効果があった。  最初本機を見たときはその奇想天外な発想に不信感を抱いたドイツ空軍関係者も実際に飛んでみたパイロットの意見が好評なのを知りしぶしぶながら開発の継続を許可し、5機の試作機を発注したのである。 エンジンはBMW132N空冷865馬力1基、武装は機首に固定の7.7mm機関銃2挺、後方に旋回式7.7mm機関銃2挺、4個の50kg爆弾であった。  ドイツ空軍による公式テストは1940年1月に終了し搭乗員たちの報告はおおむね本機に対しては好評であったにもかかわらず空軍上層部の最初の不信感を払しょくさせることができず大量生産には移らなかった。 本目的にはアラドAr198が正式採用されたが皮肉にもこの方はまったくの失敗作であった。

 
性能諸元(Bv 141)

形式: 短距離偵察地上共同機   エンジン:BMW 132N 空冷9気筒865馬力1基   最大速度:397km/時(高度3,800m)  巡航速度 309km/時   航続距離:1,133km   上昇限度:9,000m   自重:3,170kg   全備重量:3,903kg   全幅:15.45m   全長:12.15m   武装:7.9mm 固定機関銃2挺、旋回式機関銃2挺、爆弾200kg   生産台数:10

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 William Green “Warplanes of the Third Reich” Military Book Society, London 1970 William Green “Warplanes of the Second World War Vol.8” Doubleday and Company, Inc. New York 1967