１９３７年に行われた長距離哨戒水上機Ha 139の初飛行の成功は直ちに陸上機型の開発を促した。　4,300km以上の航続距離を持つ郵便運搬機を目指した本機はHa 142の型式名を与えられた。　Ha 139と同じく逆ガル構造の翼と円形断面の胴体を持ち、主翼の付け根部分は燃料タンクとして1,399ガロンの容量を持っていた。　初飛行は１９３８年１０月、その数週間後には第二号機が完成した。　その翌年夏までにはさらに２機が完成し、これらは大西洋横断の郵便物運搬として使われる予定であった。　第二次大戦が勃発すると長距離海洋哨戒として用いる計画が持ち上がった。　戦闘機の護衛の届かないところを飛行するため防御火器が必要になり、機首、胴体後上部、胴体後方側面ならびに胴体下部後方に合計６挺の7.9mmMG15機関銃が備えつけられた。　即製の爆弾槽が設けられたが爆弾搭載量は400kgとこの種の大型機としては異例の少なさであった。　海洋哨戒型は BV 142V2/U1として１９４０年春に改造が終わり、その秋までに第一線に配備されたが防御力の弱さ、爆弾搭載量の少なさでその有用性が少なく、１９４２年には後方に退いてしまった。