ドルニエ Do 18 

画像をクリックして拡大

モデルは MATCHBOX製 1/72

1933年末、水面下で開発を続けていた新生ドイツ空軍は長距離偵察飛行艇の要求をだした。 これを受けてドルニエ社はルフトハンザの郵便輸送の要求仕様もかねて設計したものが Do 18である。  当時としてはもっとも空力的に洗練された飛行艇であった。 エンジンはユンカ-ス社がかねてから開発を進めていた燃費のよいデイーゼルエンジン ユモ 205を搭載することになっていた。 初飛行は1935年3月、その年の終わりには大量生産体制がととのった。 1936年7月にはルフトハンザ社が Do 18によって滞空32時間以上という結果を出した。 ドイツ空軍への引渡しはDo 18Dとして1936年夏から始まり、沿岸哨戒部隊で使用された。 これらは600馬力のユンカ-ス.ユモ 205C デイーゼルエンジンを搭載、乗員は4人、機首と胴体後部に7.9mm MG15機関銃を備え50kg爆弾2個を積めるようになっていた。  Do 18は空中でも水上でも操縦性がよく、滞空時間の長さではきわだっていたが速度が低く防御火器が貧弱で1939年夏ころにはあきらかに旧式化していた。 その年の終わりまでに生産終了の計画であったが、後継のBV 138の設計の難航によってDo 18の生産は続行されることになり、そのかわり改善が図られることになった。 その結果880馬力のユモ205Dエンジンを搭載、機首の7.9mm機関銃を13mmに換え尾部には20mmMG151機関砲を装備したDo 18G-1として登場した。  1939年9月26日、ノードニ-を発進したDo 18Dは戦艦ネルソンなどに伴われたイギリス空母アークロイヤルを発見するという手柄をたてている。 このDo 18は空母を発進したスクア戦闘機によって撃墜されたがこれによってドイツ側はイギリス艦隊の位置を捕捉できたのである。 その他ポーランド、ノルウェイ侵攻作戦などに活躍し、1940年のバトルオブブリテンでは海上救助に使われている。 合計生産台数は正確な数字は不明であるが1940年夏に生産を終了するまでに約160機が作られた。

 
性能諸元(Do 18)

形式: 海洋哨戒機   エンジン: ユンカ-ス.ユモ205D デイーゼル 880馬力2基   最大速度:267km/時(高度 2,000m) 巡航速度 228km/時   航続距離:3,500km   上昇時間:7分48秒(1,000mまで)  上昇限度:4,200m   自重:5,980kg 全備重量:10,800kg   全幅:23.70m   全長:19.37m   武装:13mm 旋回式機関銃1挺、20mm旋回式機関砲1門、爆弾100kg  生産台数:約160

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.5” Doubleday & Company, 1960 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.7” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998