ドルニエ社はドイツ空軍向けの航空機が主体であったが輸出にたいしても無関心ではなかった。 １９３４年、輸出向け専用に３座で高翼型、フロート付きの水上機あるいは車輪付きの陸上型のいずれにもなる汎用機ＤＯ－２２を計画し、１９３５年に水上機型が初飛行した。 構造は金属製の骨組みに羽布張りの胴体、エンジンはイスパノ.スイザ １２Ｙbrs 液例１２気筒（離昇出力775 hp）であった。 武装は固定式7.9mm機関銃１挺、7.9mm旋回式機関銃１または２挺。 ユーゴスラビア海軍が最初に目を付け１２機の水上機型を発注した。 続いて同程度の規模でギリシア、ラトビアからも受注した。 量産型の初飛行は１９３８年７月。 その年の終わりまでにはユーゴスラビア向けの納入が始まった。 ギリシアに対しても翌年納入されたがラトビアはソ連に併合されたので本機が出荷されることはなかった。 ギリシアに納入された１２機のＤＯ－２２はイタリアのギリシア侵攻に伴う戦闘ですべて失われた。 ユーゴスラビアへの１２機のうち８機は１９４１年４月脱出してエジプトに到達、イギリス空軍傘下に入り翌年４月まで地中海沿岸の哨戒任務に従事した。 ラトビアに送られるはずであった機体のうち４機はフィンランドが買い取って沿岸哨戒機として使われた。