オランダは1930年代はじめからドルニエ Do 15のイタリア生産版を東インド部隊で愛用していたが、1934年に入り後継機種としてもっと大型機の使用を計画していた。 ドルニエ社との交渉の結果、仕様がまとまり1935年末、Do 24の型式名でオランダは12機を発注した。 試作第一号機と第2号機は燃料の経済性からユモ 205デイーゼルエンジンを搭載していたが、1936年になってアメリカがマーチン 139爆撃機の輸出を許可したため、これの購入を計画していたオランダ東インド政府はエンジンの共通化をはかるため Do 24も同じく空冷のライト.サイクロンエンジンを採用することになり試作3号、4号機はこのエンジンで作られた。
合計で294機作られたDo24のうち当初の顧客であるオランダ東インドに渡ったのは結局37機だけであった。
初飛行は1937年7月、悪天候のなかでも飛行テストが行われ、満足すべき結果がえられたのでオランダは本機のライセンス生産を計画した。 当初はデ.シェルデ社で行う予定であったが、生産能力の関係でスイスにある子会社で行われた。
ドイツ空軍は最初はあまり興味を示さなかったが、デンマーク、ノルウェイ侵攻作戦に続くバトルオブブリテンで海上での救出活動を行う飛行艇が多数入用になった。 おりしもオランダを征服したとき組み立て途中にあった多数のDo24を発見し、これを活用することに決めたのである。
太平洋戦争が始まったときオランダの東インド部隊に所属する Do 24 は侵攻してくる日本輸送船に対し散発的に攻撃を加えたが、日本戦闘機と対空砲火のためにたちまち戦力を消耗し、1942年2月には残存の5機はオーストラリアに逃れた。
形式: 海上救出用飛行艇 エンジン: BMWブラモ空冷1,000馬力2基 最大速度:340km/時(高度 3,000m) 巡航速度 220km/時 航続距離:4,700km 上昇時間:6分0秒(2,000mまで) 上昇限度:7,500m 自重:9,400kg 全備重量:16,207kg 全幅:27.0m 全長:22.0m 武装:7.9mm 旋回式機関銃2挺、20mm旋回式機関砲1門 生産台数:294
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.5” Doubleday & Company, 1960 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.7” Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998