ドイツ空軍の出した双発で多用途に使える練習機の仕様に応じてクルト.タンクが1935年に設計したものである。 要求仕様では単なる飛行練習だけでなく計器飛行、射撃訓練、爆撃、通信、航法などあらゆる種類の訓練に使えることとなっていた。 FW58は競争相手となったAr77に勝っただけでなく非常に優れた航空機であることを証明されドイツ空軍で広く使われただけでなく、アルゼンチン、中国、ハンガリー、スウェーデン、ルーマニア、ブルガリアなど多くの国に輸出された他、ブラジルではライセンス生産が行われた。 ブルガリアではゲリラ追討作戦で1944年まで使われた。
構造は溶接鋼管に羽布張りの胴体、木金混合の主翼であった。 エンジンはアーガス As10C(240馬力) 主脚は後方に折りたたまれエンジンナセル後部に収容されるようになっていた。 試作第一号機は6人乗りの輸送機として1935年夏に初飛行。 2号機は射撃訓練用として機首と胴体上部に7.9mm MG15 機関銃を各1挺備えていた。 総生産台数は約1350機。
形式:双発軽輸送機兼多用途練習機 エンジン:アーガス As 10C 空冷8気筒 出力 240 hp 最大速度 260km/時 上昇時間:3分48秒(1,000m) 上昇限度:5,600m 航続距離:800km 自重:2,400kg 全備重量:3,600kg 全幅:21.00m 全長:14.00 m 生産台数:約1,350
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999 Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977