第一次世界大戦でロンドン空襲を行ったゴータ社の双発爆撃機は爆撃機の代名詞になるほど有名を馳せた。 いかに連合軍、とくにイギリスがこれに脅威を抱いたかは、戦後のベルサイユ協定でゴータ社( Gothar Waggonfabrik AG.)の製造設備を徹底的に破壊する条項を盛り込んだほどである。 ゴータ社はその後航空機製作から遠ざかっていたが、1933年に再開した。 その第1作がGo145A複葉初等練習機である。 初飛行は1934年2月。 金属と木の混成フレームに羽布張りの構造であった。 テスト結果は非常な好評を博し、直ちに量産に移された。 製造はフォッケウルフウルフ社を始め他の2社でも行われ累計生産機数は当時としては驚異的な10,000機にも達した。 当初の目的は練習機であったが、東部戦線でソ連が複葉のPo2型機を使ってドイツ兵の安眠妨害の目的で夜間爆撃を行うのを真似て、爆弾架と後部座席に7.9mm のMG15機関銃を備えたGO145で夜間爆撃隊が編成され、1942年12月から活動を開始し戦争が終わるまで続いた。
トルコ政府が生産ライセンスを買い、1936年から製造を始め、1943年に至るまで使われたほかスペインの市民戦争ではフランコ側にも送られるなど多方面で使われた。
形式:複座初等練習機 エンジン:アーガス As 10C 空冷8気筒 出力 240 hp 最大速度 211km/時 上昇時間:5分30秒(1000m) 上昇限度: 3700m 航続距離:646km 自重:870kg 全備重量:1350kg 全幅:9.00m 全長:8.60 m 生産台数:約10000
Air International, July 1981
William Green “Warplanes of the Third Reich” Military Book Society, London 1970
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999