Ｈｅ６０の後継機として１９３５年夏設計が始められた複座水上偵察機。 翌年の春に初飛行した試作機は全金属製でエンジンはダイムラー．ベンツＤＢ６００Ａ(960馬力）で木製３翔プロペラを駆動した。 テストの結果は芳しいものではなかった。 とくに離水、着水時の特性が悪く少しでも波があると危険なほど蛇行する傾向があった。 水平尾翼、フロートに改良が試みられたが目立った効果が見られず、軍当局はこの機が不成功に終わったときのことを考えアラド社とフォッケウルフウルフ社にも同種の機体の開発を命じたほどである。 ともあれエンジンがＢＭＷ１３２Ｋに換えられ、３翔定速回転プロペラ、カタパルト発進フックを備えた量産型は生産に移され１９３７年後半から前線に配備された。 武装は7.9mm MG15旋回式機関銃１挺に50kg爆弾２個を機体下部に懸架できた。 この時点になってもＨｅ１１４は依然としてパイロットには評判が悪かった。 １９３７年夏アラドＡｒ１９６が初飛行に成功し優秀な性能を示したためＨｅ１１４に対する軍当局の関心は急速に薄れ、Ａｒ１９６の本格量産までは従来のＨｅ６０をそのまま使う方針に傾き、ハインケル社に対してはＨｅ１１４を外国に輸出する許可を与えた。 価格の廉いことと納期が速いことがうけてスエーデンが１２機発注し１９３９年に納入された。 またルーマニアも１２機発注したが納入する前にドイツ空軍に接収され１９４１年のソ連侵攻作戦に使われた。