ハインケル He 46 

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モデルは RS MODELS製 1/72
レジンキット

長距離偵察用としてHe45の開発が始まったのと時を同じくして短距離偵察機としてHe46の開発が進められた。 1931年末に初飛行した第一号機は複葉機の形式をとっていたが視界改善のため通常より前方に配置された上部主翼は10度の後退角を持ち、下部主翼は著しく小さくまたずっと後方の後部座席の直下に配置するという特異な形態であった。 そのため後部座席の下方視界を著しく阻害した。 改善のため2号機では下部主翼を削除して主翼の幅を2.5m広げた高翼単葉に改められた。 エンジンは当初イギリスのブリストル社のジュピターエンジンを国産化したものを採用したが、450馬力という低出力であったため1932年には650馬力のジーメンスSAM22Bエンジンに喚装され、これが量産型となった。 He46は羽布張りの木製主翼、溶接鋼管の骨組みに羽布張りの胴体とこの当時の普通の構造であった。 1934年までには急速に拡大をはかるドイツ空軍からの要求に応じて478機の受注をしたが、この量はハインケル社だけでは応じきれないのでゴータ、ジーベル、フィーゼラーなど数社に委託生産が行われた。 1936年には生産が終了したが、第2次大戦勃発当時でもまだ5個中隊はHe46で装備されてポーランド侵攻作戦に参加した。 1940年4月にはすべてHs126に置き換えられたが、東部戦線ではHe45,G0145,Ar66などの旧式機を動員して編成された部隊で敵軍の安眠妨害作戦に使われた。 He46はまたスペインの市民戦争に参加したほかブルガリア、ハンガリーへ輸出された。

 
性能諸元(He 46C)

形式:高翼単葉複座偵察兼軽爆撃機  エンジン:ブラモ322B(SAM22B) 空冷9気筒 出力 650 hp、  武装:7.9mm MG15機関銃1挺(旋回式) 10kg爆弾20個   最大速度:248km/時(海面)  巡航速度:208km/時  上昇時間:2分36秒(1,000m)  上昇限度:6,000m  航続距離:984km   自重:1,766kg  全備重量:2,302kg   全幅:14.00m   全長:9.50m   生産台数:478

参考文献

William Green “War Plane of The Second World War Vol.9” Doubleday & Company, 1960 Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.12 William Green “Warplanes of the Third Reich” Military Book Society, London 1970 Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999 MACH 1 (l’encycropedie de l’aviation) No.67