ユンカース Ju 352 

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モデルは エアモデル製 1/72
バキュームフォームキット

ユンカースJu352は3発輸送機Ju252の発展形である。 1942年春、ユンカース社はドイツ空軍から、Ju252からエンジンを当時供給が目いっぱいになっていたユモ211からBMW323に取り換え、供給不足が心配される金属材料の使用を減らすことを検討するよう要求された。 これに応じて設計されたのがJu352である。 見かけはよく似た航空機であったがほとんどが新設計である。 主翼はJu252のものとほぼ同じサイズであったが構造はすべて木製であった。 胴体は前部操縦席までと尾部がジュラルミンの金属製、胴体中間部分が鋼管チューブの構造体に羽布張りという木金混合の構造であった。 胴体後部の床が油圧式で下方に折れ曲がってスロープを提供し、自動車などが直接乗り入れできる構造になっていた。  初飛行は1943年10月、エンジンは3基のBMW323R-2(1000馬力)であった。 量産型はA-1型として33機が作られた。 これらは胴体上部に電動式の20mmMG151機関砲1門と胴体後方の左右に13mmMG131旋回式機関銃1挺ずつが据えられていた。 主脚はエンジンナセル後方に引き込まれるが、引き込まれた状態でも車輪の三分の一は露出しており、胴体着陸時にも十分支えられるような強度を持たされていた。  A-1型は5人の乗員と4300kgの貨物あるいは32人の完全武装兵士を載せることができた。 1944年春から前線に配備され主に東部戦線で使われた。 Ju352はJu52に比べて大きな進歩をとげていると評価されたがなかでも大きかったのは飛行中にプロペラのピッチを逆にすることができた点である。 おかげで着陸時のブレーキとして使え着陸時の滑走距離が60%に減ったと報告されている。  1945年春のドイツ降伏時には23機のJu352が残存しており、うち1機が評価テストを行うためイギリスまで飛行した。 翌年にはチェコに残っていた機体はソ連に引き渡されている。  

 
性能諸元(Ju 352)

形式: 中型輸送機   エンジン:BMW 323R-2 空冷1,000馬力3基   最大速度:368km/時(高度5,050m)  巡航速度 298km/時   航続距離:2,976km   上昇時間:3分12秒(1,000mまで)   上昇限度:6,000m   自重:13,484kg   全備重量:19,613kg   全幅:34.21m   全長:24.59m   武装:20mmMG151 機関砲1門、   生産台数:45

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.14”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
William Green “Warplanes of the Third Reich” Military Book Society, London 1970