ブレダ BA-88 

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モデルは VAMI MODEL製 1/72
レジンキット

1936年に初飛行した試作機はその流麗な外観と高性能をムッソリーニ政権によって華々しく喧伝されたが、実用機としてはまったくの失敗作であった。 1937年には二つのスピード記録を樹立したが、本来の目的である長距離偵察あるいは地上攻撃機としての武装を搭載するや性能はがた落ちになり、操縦の安定性もひどく悪くなった。 そのときはすでに量産命令が下っており、最初の80機が1939年に作られた。 1940年6月、イタリアが参戦するやBa-88は戦火にまみえることになった。 12機がコルシカ島の飛行場を銃爆撃したのである。 3日後にも同じ攻撃が繰り返されたが、Ba-88の評価は悪かった。 このことはイギリス軍相手のリビヤ戦線でも決定的になった。 砂よけのフィルターを取り付けたエンジンはオーバーヒートを起こして馬力がでなくなり所定の半分のスピードもでないことになったのである。 1940年9月のシジ.バラニ攻撃では所定の高度で編隊行動ができず作戦を中止することまで生じた。 1940年11月までにはほとんどのBa-88は地上に放置され敵の攻撃に対するおとりとして使われるありさまであった。 この間にもBa-88は作られ続けたがほとんどの機体はそのままスクラップにされた。 第一線に配備された飛行機の中では最大の失敗作ともいわれている。 

 
性能諸元(BA-88)

形式: 地上攻撃機   エンジン:ピアッジョ P.XI RC-40 空冷1,000馬力2基  武装:12.7mm ブレダ- SAFAT機関銃3挺、7.7mm 旋回式機関銃1挺、爆弾1,000kg   最大速度:490km/時(高度 4,000m) 上昇時間:7分30秒(3,000mまで)  上昇限度:8,000m   航続距離:1,640km  自重:4,650kg   全備重量:6,750kg   全幅:15.6m  全長:10.79m  生産台数:152

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “Combat Aircraft of World War 2 1933-1937”