イタリアの最初の単葉で引きこみ脚を持った戦闘機である。 1935年、イタリア空軍省が出した全金属製単葉戦闘機の仕様に対し少なくとも6つの会社が応じた。 最終的にはマッキ200が選ばれることになったが、最初に契約を勝ち取ったのはフィアットG.50であった。 設計技術者ジョゼッぺ.ガブリエリの最初の作品である。 設計は順調に進み、1937年9月に45機を受注し、引渡しは翌年早々に始まった。 最初の生産分のうち12機ほどが実戦テストとして内乱中のスペインに送られ、その速度と運動性で好評を博したが、スライド式の風防が開きにくく視界を妨げたのでパイロットには不評であった。 そこでつぎの200台分から開放式のコクピットになった。 G.50は従来のC.R.32を置き換えていったが、複葉戦闘機の軽快な運動性に慣れていたパイロットたちからは必ずしも好評ではなかった。 1940年には35機がフィンランドに送られ1944年まで活躍している。 主な生産型は胴体の形状を変更して視界を改善し装甲とセルフシーリングタンクを備えたG.50bisで、450機が作られた。 その他に複座にした練習機型G.50Bが139機作られたほかエンジンをドイツのダイムラー.ベンツDB601を搭載したG.50Vもある。
イタリアが参戦したときには118機のG.50がふたつの戦闘機隊に配備されており、フランスとベルギー侵攻作戦に参加した。 その後のイギリス海峡上の戦いでは悪天候に悩まされたのとイギリス戦闘機の高性能に圧倒されて成果は好ましいものではなかった。 しかし生産はその後も続行され、ギリシャ、地中海、アフリカ戦線で使われたがもはや時代遅れはおおいがたくもっぱら地上攻撃に使われた。
形式: 単座戦闘機 エンジン:フィアット A.74 RC38空冷840馬力 最大速度:470km/時(高度 4,500m) 航続距離:670km 上昇時間:7分45秒(6,000mまで) 上昇限度:10,700m 自重:2,015kg 全備重量:2,522kg 全幅:10.9m 全長:7.8m 武装:12.7mm 機関銃2挺、爆弾300kg 生産台数:777
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
William Green “War Plane of The Second World War Vol.2” Doubleday & Company, 1960
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bill Gunston “Fighting Aircraft of World War 2”, Prentice Hall Press 1988
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.7”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “Combat Aircraft of World War 2 1939-1940”