ドイツのダイムラー.ベンツエンジンの国産化ができるようになってイタリアの戦闘機に大きな貢献をもたらした。 これを搭載したマッキM.C.205戦闘機はアメリカのP-51ムスタングとも対等に戦ったといわれている。
M.C.205の初飛行は1942年8月である。 M.C.205はM.C.202から発展したもので、両者の外見上の相違はエンジン収用部と冷却器の配置であった。 ベンツの大馬力エンジンDB605(1,475馬力)のおかげでM.C.205はM.C.202にくらべて飛躍的に向上し、試作機は651km/時の速度を記録し上昇力も高度6,000mに達するのに4分52秒しかからなかった。 M.C.205はまたイタリア戦闘機として初めての20mm機関砲装備機であった。 試作機のきわめて優秀な運動性に狂喜した空軍当局はただちに大量の発注をくだしたが、金属材料不足、国産化したエンジンの生産遅延で生産はままならず、1942年10月から翌年の9月までに200機が生産されただけであった。 9月、バドグリオ政権が誕生して和平協定が結ばれたときわずかに66機のM.C.205を保有するだけだった。 そのうち連合軍側に渡ったのは6機だけで、残りはドイツ側に立って連合軍と戦い続けた。 和平成立後も生産は続けられ1944年春までにさらに112機が作られた。 M.C.205は1943年から第一線に配備され、最初の任務はその年の7月、シシリー島上陸をはかろうとする連合軍艦艇を攻撃する雷撃隊の援護であった。 終戦後も生き残った何機かは1951年まで訓練用に使われている。
形式: 単座戦闘機 エンジン:フィアット R.A.1050RC58 液冷式 1,475馬力 最大速度: 642km/時(高度 7,200m) 巡航速度 500km/時 航続距離:1,040km 上昇時間:2分40秒(3,000mまで) 上昇限度: 11,000m 自重:2,524kg 全備重量:3,224kg 全幅:10.58m 全長:8.85m 武装:12.7mm ブレダSAFAT機関銃2挺、7.7mm 機関銃2挺 生産台数: 265
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
William Green “War Plane of The Second World War Vol.2” Doubleday & Company, 1960
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bill Gunston “Fighting Aircraft of World War 2”, Prentice Hall Press 1988
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.7”
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