イタリアのミラノでナルデイ兄弟によって設立されたナルデイ社が始めて設計した飛行機で1935年に初飛行した。 低翼単葉で引き込み式主脚をもち木金混合の構造であった。 スポーツ機あるいは中間練習機として設計され、単座機と複座機型があった。 試作機はフィアットA.70S空冷エンジン(200馬力)を搭載、時速340kmを記録した。 量産型はアルファロメオ 115エンジンを搭載しピアッジョ社で行われることになった。 ナルデイ社に生産能力がなかったからである。
イタリア空軍からの注文で合計258機が作られ練習機あるいは連絡機として使われた。
1937年から1940年にかけてF.N.305は多くの飛行コンテストに出場して活躍したたため、本機の名声が高まり各国からの注文が殺到した。 1938年、チリ政府が9機を発注したのをはじめルーマニアは31機を発注、さらにライセンス生産で124機を生産し同国における標準練習機となった。 ルーマニア製のエンジンはイギリスのデハビランド.ジプシー6であった。 最大の輸出注文はフランスで300機を受注したが1940年6月イタリアがフランスに宣戦布告したために実際の引渡しは41機のみであった。 その後ハンガリー政府が50機を発注している。
形式: 複座練習機 エンジン:アルファロメオ115空冷185馬力 最大速度:300km/時 航続距離:620km 上昇限度:6,000m 自重:704kg 全備重量:984kg 全幅:8.47m 全長:6.98m 生産台数:258
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Chris Dunning “Courage Alone- The Italian Air Force 1940-1943” Hikoki Publication