サヴォイア.マルケッテイ  SM.82 

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モデルは AV-USK製 1/72
バキュームフォームキット

S.M.82は第二次大戦勃発時から1960年代まで20年間も使われた。 本機の歴史は1939年にさかのぼる。 その年、S.M.82は12,800kmの距離世界記録と10,000kmを平均時速240kmで飛ぶという速度記録を樹立したのである。 本来は長距離輸送機として設計されたが、その大きな搭載量を活用して爆撃機としても重用された。 構造は溶接鋼管と木製の骨組みに羽布張りで、特徴は機体内部を二階建てにして中間の床を取り外しできるようになっていたことである。 このため大型の機材も収容することができた。 たとえば分解したフィアットCR-42戦闘機を予備部品と大量の武器弾薬ととともに楽々と収容することができた。 兵員輸送としては40人の完全武装した兵士を収容した。 エンジンは860馬力のアルファ.ロメオ 128RC8が3基、3翔の金属プロペラを駆動した。 武装は4挺の機関銃で爆撃機としては4トンの爆弾を搭載できた。 イタリアが参戦したときは10機程度しか就役していなかったがその後生産は急速に増加し、戦争が終わりまでに875機が生産された。 その半分はドイツ空軍で東部戦線で輸送機として使われた。 1943年イタリア降伏の後は連合軍側でも使われている。 戦争が終わったとき約50機が残っていたが、これらはエンジンをアメリカのプラットアンドホイットニー.ツインワスプに換装され1960年まで使われた。

 
性能諸元(SM-82)

形式: 輸送機兼重爆撃機   エンジン: アルファ.ロメオ 128RC21 空冷950馬力   武装:7.7mm 旋回式機関銃4挺、爆弾4,000kg   最大速度:370km/時   巡航速度 300km/時  上昇時間:18分0秒(3,000mまで)   上昇限度:6,000m   航続距離:3,000km   自重:10,550kg   全備重量:17,820kg   全幅:29.68m   全長:22.9m   生産台数:875

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 Military Aviation Library,“World War 2 Japanese and Italian Aircraft”, Salamander Books Ltd., 1985 Jonathan Thompson “Italian Civil and Military Aircraft 1930-1945” Chris Dunning “Courage Alone- The Italian Air Force 1940-1943” Hikoki Publication