複座戦闘機キー45屠龍に始まった川崎航空機の複座戦闘機シリーズの最終型である。 1943年4月日本陸軍は川崎航空機に対して開発が始まったばかりのキー102と機体はほとんど同一の高高度迎撃戦闘機の開発を指示し、キー108の型番を与えた。 キー102の試作機のうち7番目と8番目の機体に与圧コクピットを組みこんだものがキー108として1944年7月に完成した。 飛行テストが開始される前に与圧コクピットに敵弾が当たって穴が開いた時どうするかということが議論されたが、この回答は意外なところから簡単に出てきた。 テスト飛行の初期段階で高空を飛行中に与圧コクピットのロックがはずれ、密閉が破れて操縦席の気圧が突然低下したがパイロットの機転で急降下してことなきを得た。 エンジンの排気タービンのトラブルに悩まされたものの機体設計は優秀であるとの評価でキー108改として本格的に開発が始められた。 主翼、胴体は延長され1945年3月に第一号機が完成したが本格的なテストをする前に終戦になってしまった。
形式: 単座高高度迎撃戦闘機 エンジン:三菱 Ha-112-IIル 14気筒空冷 1,500 馬力 最大速度:576km/時(高度 10,000m) 航続距離:1,789km 上昇時間:18分(6,000mまで) 上昇限度:13,692m 自重:5,305kg 全備重量:7,206kg 全幅:18.81m 全長:14.05m 武装:37mm ホ-203 機関砲1門、20mm ホ-5機関砲2門 生産台数:2
William Green “War Plane of The Second World War Vol.3” Doubleday & Company, 1960
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.15”
Rene J Francillon “Japanese Aircraft of the Pacific War” Putnam Aeronautical Books 1988
Green,William and Gordon Swanborough "Japanese Army Fighters World War 2 Fact Files"
航空情報編 「日本軍用機の全貌」
岡村純他「航空技術の全貌」原書房