従来より格段に防御火力を強化した水上偵察機として、日本海軍より仕様が発布され１４試複座水上偵察機として愛知航空機が１９４０年１０月設計を開始した。　しかしその用途などで議論が持ち上がり、その結果仕様が変更され１６試として改めて開始されたのがE16A1（瑞雲）で初飛行は１９４２年５月である。　構造は脱着できる主翼端と水平尾翼が木製でそれ以外は金属製であった。　主翼は巡洋艦などに搭載される場合に備えて上部に折りたたまれるようになっていた。　前部のフロートを支える支柱には油圧操作ができるダイブブレーキが装着され急降下爆撃にも使えるようにする計画であった。　エンジンは三菱金星５１空冷１４気筒（1,300馬力）を搭載、防御火力は両翼の２挺の7.7mm機関銃と後部座席の１挺の旋回式7.7mm機関銃であった。 　試作機の飛行の最初からダイブブレーキの問題が続き、変更が相次いだため開発が遅れ大量生産が発令されたのは１９４３年８月である。　量産機のエンジンは三菱MK8P金星６２(1,560馬力)に替わり、武装も主翼に20mm機関砲２門、260kg爆弾1個を胴体下に吊り下げた。　 　実戦に投入されたころには日本は制空権を奪われた後のことで、1944年のフィリッピン沖海戦で大損害を被り、生き残りはほとんど特攻に投入されてしまった。