ダグラスA-20は第二次世界大戦においてもっとも多方面で使われた飛行機のひとつである。 いろいろな名前が付けられたがもっとも有名になったのはイギリス空軍で爆撃機として使われたボストンと夜間戦闘機型のハヴォックである。 フランスではDB-7の型式を与えられ、アメリカでは用途によってA-20,P-70,F-3の型式名が与えられた。 1944年9月まで総計7,300機以上が作られ終戦時まで使われた。
開発はアメリカ軍の要求によったものではなくダグラス社の自主的なもので天才設計者エド.ハイネマンが指揮にあたった。 試作機の完成は1938年であったが最初の顧客はアメリカではなく当時ナチスドイツの脅威にさらされていたフランスであった。 最初の105機が1939年8月に引き渡された。 さらにエンジンを強化した改良型を含め700機が発注された。 このほかにも少数機がベルギーからも発注されている。 フランス降伏のあとはこれらの機体はイギリスに渡ることになった。
アメリカ軍は206機を発注したが生産はイギリス向けの生産が終了するまで保留された。 アメリカでは1940年になって練習機として使われたが、その後エンジンを強化した型がA-20Cとして1942年5月はじめて実戦に参加した。 もっとも多く作られた型はG型で強力な1,700馬力のエンジンを搭載しておりアメリカ軍で使われるとともに3,125機がソ連に送られた。 太平洋戦線では日本軍相手に地上攻撃に猛威をふるった。
形式: 地上攻撃機 エンジン:ライト R-2600-23 空冷 1,600馬力 武装:20mm 固定式機関砲4門 12.7mm 旋回式機関銃3挺、爆弾 1,814kg 最大速度:545km/時(高度3,780m) 巡航速度:438km/時 上昇時間:7分(3,040mまで) 上昇限度:7,864m 航続距離:1,754km 自重:7,250kg 全備重量:12,338kg 全幅:18.69m 全長:14.63m 生産台数:7,478
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “Combat Aircraft of World War 2 1933-1937”
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
Rene Francillon “McDonnell Douglas Aircraft since 1920” Putnam Aeronautical Books 1979
Enzo Angelucci "World War II Airplanes" Rand McNally