ダグラス A-26 インヴェーダー 

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モデルは AIRFIX製 1/72

 ダグラス.インヴェーダーは1940年にアメリカ陸軍航空本部から発布された仕様に基づいて設計された従来のA-20攻撃機(ハヴォック)の後継機種である。 天才設計者エド.ハイネマンの指導の下に高速で地上攻撃をすることを目的とし同時に強力な防御火力が要求されていた。 基本設計はA-20と同じであるがエンジンは強力な2基のプラットアンドホイットニーR-2800-27(空冷2000馬力)を搭載していた。 また爆撃機としては最初に層流翼を採用することになった。  1941年6月に3機の試作機が発注され、翌年7月に初飛行した。 胴体内の爆弾層に1360kgの爆弾を搭載、胴体後方上部と下部にリモートコントロールの2連装の12.7mm機関銃砲塔が備えられ、機首にも12.7mm機関銃2挺がつけられた。 乗員は操縦者、航海士、銃手の3人である。 2番目の試作機は夜間戦闘機用途として対空レーダーが装着された。 最初の量産型はA-26Bの型式名とインヴェーダーの一般名を与えられた。 エンジンは試作機と同じであったが高空性能を改善するために水噴射装置付きのものになった。 胴体内爆弾層の容量は1815kgに増やされ、主翼下には905kgの爆弾、8発のロケット弾または2個の補助燃料タンク、16発のロケット弾を懸架することができた。  A-26は計画当初の見積重量より300kg以上軽くなり、計画より2倍の爆弾を搭載することができ、しかもイギリスのモスキートを別にすれば世界で最高速の爆撃機であった。  この型は1355機が作られ1944年11月からヨーロッパ戦線に配備が始まりノルマンディー上陸以降の作戦で地上攻撃に猛威をふるった。 しかし戦争終了のころには時代がジェット機に移行していることもあって開発計画はすべてキャンセルされたが、朝鮮戦争が勃発すると450機のA-26が使用され、敵の補給路に対する夜間攻撃にすばらしい成果をあげた。 さらにベトナム戦争でも同様な成果をあげ、開発されてから33年経った後でも第一線で活躍した稀有の機体となったのである。 なお1948年にマーチンB-26マローダー爆撃機がすべて現役を退いたのを受けてA-26はB-26の型式名を受け継いでいる。  

 
性能諸元(A-26B)

形式: 地上攻撃機   エンジン:プラットアンドホイットニー R-2800-27 空冷 2,000馬力   武装:12.7mm 機首固定式機関銃6挺 12.7mm 旋回式機関銃4挺、爆弾 2,722kg   最大速度:571km/時(高度4,572m)   巡航速度:457km/時   上昇時間:8分6秒(3,048mまで)   上昇限度:9,450m   航続距離:2,896km   自重:10,365kg   全備重量:15,880kg   全幅:21.35m   全長:15.47m   生産台数:2,450

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “Combat Aircraft of World War 2 1933-1937”
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
Rene Francillon “McDonnell Douglas Aircraft since 1920” Putnam Aeronautical Books 1979
Enzo Angelucci "World War II Airplanes" Rand McNally
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.13”