マーチン メリーランド  

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モデルは FROG製 1/72

 グレン.マーチン社は自主プログラムで Model 167という高速爆撃機の開発を行い初飛行は1939年3月に行われた。 アメリカ陸軍の受け入れるところとはならなかったが、当時台頭するナチス空軍の脅威に対抗するために空軍増強にやっきになっていたフランスが目をつけ215機を発注した。 乗員は3人であったが、非常にスリムな胴体で互いに行き来はできないほどであったが高速で操縦性がよかった。 武装は7.5mm機関銃を主翼に固定で4挺、胴体後方の上下に旋回式機関銃を1挺ずつ備え、爆弾は800kgを搭載できた。 1939年11月に引き渡しが始まり、翌年5月に侵入してきたドイツ軍を相手に奮闘した。 きわめて危険な任務ばかりにつかされたのにもかかわらず110機ほどあったうち失われたのはわずか9機で、フランス空軍の爆撃部隊のなかで損耗率は最小であった。 フランスがドイツ軍に占領された後、あるものはイギリスに逃れ、RAFに所属して主にマルタ島を基地にして地中海全般で活躍した。 そのスピードを生かした偵察行でイタリア戦闘機の追撃を振り切ることもしばしばであった。 残りのメリーランドはビシー政権のもとでフランス国内およびアフリカ戦線で使われた。 RAFで使われたメリーランドで特筆的な働きをしたものは1940年11月11日に行われたRAFによるイタリアのタラント港攻撃に先立って行われた偵察行である。  イギリスも150機のメリーランドを購入し主に地中海方面で使った。 一部はイギリス海軍に所属しノルウェー方面で長距離偵察に使われた。 1941年5月22日、ドイツの戦艦ビスマルクとプリンツオイゲンがもはやノルウェーのフィヨルドにはいないことを報告したのはこのメリーランドである。

 
性能諸元(Maryland II)

形式:双発偵察爆撃機   エンジン:プラットアンドホイットニー R-1830-S3C4-G 空冷1,200馬力   武装:7.7mm機関銃4挺  旋回式機関銃2挺、爆弾907kg   最大速度:447km/時(高度3,597m)  上昇率 546m/分   上昇限度:7,925m   航続距離:1,947km   自重:5,086kg   全備重量:7,625kg   全幅:18.69m   全長:14.22m   生産台数:441

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.17
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
Bill Gunston “Fighting Aircraft of World War 2”, Prentice Hall Press 1988