1942年12月アメリカ陸軍はビーチ社に対してダグラスA-20の後継として強力な双発地上攻撃機を発注した。 もっぱら民間用小型機を作ってきたビーチ社がめずらしく手がけた地上攻撃機である。 陸軍の要求は戦車などを破壊できる強力な武装を備えるということであったが、ビーチ社の回答は2挺の12.7mm機関銃とともに機首に装備した75mm砲であった。 1943年アメリカ陸軍から発注を受けたXA-38は搭乗員3名、機首に75mm砲を備えていた。 さらに防御火器として胴体後方の上部と下部にリモートコントロールの連装の12.7mm動力銃座を備えていた。 エンジンはB-29と同じ空冷のライトR-3350-43であった。
XA-38は1944年5月に初飛行しあらゆる面で満足すべき性能を示した。 その後の空軍テストパイロットによるテストでも結果は満足すべきものであった。 しかし当時すでに空軍の活動の主体はB-29などによる戦略爆撃に移っており、この種の地上攻撃機の必要性が薄れており大量生産には入らなかった。 製作された2機の試作機のうち1機は空軍博物館で展示されている。
形式:双発地上攻撃機 エンジン:ライト R-3350-43 28気筒空冷2,300馬力 2基 最大速度:595km/時(高度 5,180m ) 航続距離:2,615km 海面上昇率 792m/分 上昇限度:8,840m 自重:10,197kg 全備重量:15,996kg 全幅:20.52m 全長:15.77m 武装:T15E1 75mm砲(弾数 20発) 12.7mm 機関銃6挺、爆弾450kg 生産台数:1
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Wagner,Ray "American Combat Planes" Garden City: Doublday, 1982